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『Dグレ』みんながいるから戦場でも笑っていられる

第4章 不可解な夢と自分の力


汽車を降りると、駅にはあまり人がいなかった。

『ベルギーって人が少ないのかな?』

「馬鹿。怪奇現象の影響で人の出入りが少ないだけだ。」

いたっ!?頭をチョップしなくても良くない!?

「ほれ、不細工な顔してねぇで、行くぞ」

『元々こんな顔なの!』

「おい!何してる!俺に前を歩かせる気か!」

エクソシストが私たちを怒鳴る。やれやれだ。

「リオ、説明は俺がする。お前はこっちにこい」

『うん、分かった』

いつもは私にやらせるのに珍しいこともあるな。まあ、楽だからいいけど。私はベンとラックの間に挟まれて、歩く。

「今回の任務は、イノセンスの回収となります。この街に新しくできたシンボルの橋がありますが、その橋を通ると人が消えるという怪奇現象が次々と起こっています。既に住人が数人行方不明となっていて、任務で駆けつけたファインダーやエクソシストの連絡も途絶えています。」

「役立たずどもめ。わざわざこんな辺境の街に足を運ばねばならなくなっただろうが。」

イライラした様子のエクソシストだったが、さっそくその橋へと向うこととなった。

『………これが例の橋か。思ったより普通だね』

橋は人が二人ほど通れるような広さでほんの向こう側へと渡るような橋だった。辺りに人気はなく、下を見ると川が流れていた。

「これを人が渡ろうとすると急に霧が発生し、霧が晴れた頃には人が姿を消しているんだってよ。なんかのおとぎ話みてぇだな」

『元帥ももういらっしゃってるのかな?』

「さあ。ここにはいねぇみたいだがな。さて、あのブタはどうするのやら。」

ラックがブタと呼んでいるのは勿論エクソシストのこと。本人曰く、脂肪に見えるこれは筋肉なのだと。

「……あぁ。女を渡らせるつもりだあのクズ」

三人のうちの一人の女性を無理やり渡らせようとするエクソシスト。私たちはそれを少し離れたところで見ていた。私たちもいつそんなことをしろと言われるか分からないからだ。

『……ねぇ。イノセンスってどこにあるのかな?』

私はふと思った疑問を口に出した。

「あの橋のどこかに使われていることは確かなんだけどな。探そうとするとアレだしな。」

霧が出てきて、たちまち女性の姿が見えなくなる。そしてしばらくして晴れるとそこにはもうその姿はなかった。

『……ん?』

私はふと、霧の中で光る何かを見つけた。
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