第4章 不可解な夢と自分の力
汽車は面白いものでいっぱいだった。私はまだ未成年なのであまり遠出するような任務は与えてくれない。だから、これが地味に初めての国境超えだったりする。汽車の中は寝台が少々多いくらいであまり代わり映えはなかった。汽車の中でベンとご飯を食べ、ラックのためにお菓子を包んであげた。
そして、到着一時間前になり、私は満足気にラックの元へと戻った。ベンはそんな私を見て、子供だと笑ったが子供で何が悪いと私は開き直っていた。
「おい。荷物をまとめろ。」
到着30分前になって、突然声をかけてきたエクソシスト。奥に女性が3人くらいいるのが見えた。とてもお酒臭かった。ラックが眉間にシワを寄せて、中へと入ったので、私も入ろうとしたが、ベンが私の腕を掴んだ。
「下手に手を出すと、ラックに怒られるぞ。」
………確かに。私は中に入ろうと一歩踏み出した足を元に戻し、ベンと共に外で待機した。
「おい。」
そうしていると、不意に話しかけてきたエクソシスト。
『私ですか?』
「お前以外に誰がいるんだ。早く中に入って、お前も手伝え。」
『いえ。すでに得意な人が中でやっていますので。私がいると逆に邪魔かと。』
「ああ?誰がそんな事言った!?俺の酒をつげって言ってんだ!!」
何それ。何も私につがせなくたって、中にはあなたが連れてきた女性たちがいるでしょうに。
「私供はファインダー。エクソシスト様のサポートをするのが仕事でございます。給仕係ではございませぬ。」
ベンがエクソシストの顔も見ずに私の代わりに言ってくれた。
「何っ!!」
頭に血がのぼったエクソシストがベンに殴りかかろうとしたところで、汽車が停車した。目的地に着いたようだ。
「さぁ、エクソシスト様。降りましょうか」
ラックが女性たちと部屋から出ながら言うと、エクソシストは舌打ちをし、女性たちとそのまま行ってしまった。
『あんなに酔ってて任務に支障でないかな?』
「さあな。だが、死ぬならせめてアクマを全滅させてからにほしいぜ」
『そんな縁起でもないこと言わないでよ。エクソシストってただでさえ少ないんだから。』
「だが、あんなのじゃとてもじゃないが神の使徒とは言えないと思うぜ?」
「同感だ。さあ、降りるぞ。」
『はーい。』
さあ、命がけの任務の始まりだ。