第3章 黒の教団壊滅事件
「嫌ぁぁぁリオオオオ!!早くリオを助けに行くんだぁぁぁ!!」
「ちょっ……室長っ!?あーー!!!」
「何やってんだよおおおお!!」
室長たちの叫び声を聞きながら、私は落ち続けた。こ、こんな馬鹿な事件で死ぬなんて…。
「リオっ!」
だけど私は誰かから掴まれて、宙ぶらりんとなった。恐る恐る目を開けると、そこにいたのは、
『リーバー班長!』
班長だった。片手で私の腰を持ち、片手にはロープを持って私を助けてくれたのだ。
「大丈夫か?」
最初は感動していた私だけど、ふと気づいた。片手に私?最近3キロ太った私を持っている?私の顔は青ざめた。
「おい!どっか痛むのか?リオ」
『は……班長……ごめん!私落ちるーー!!』
「はぁ!?こらっ、暴れんなって!おい!いい加減にしろっ!」
『ぐえっ!』
腰を締められて潰れたカエルのような声が出てしまった。
「今の俺らの状況見ろ!ったく。」
『ゴホッ。だ、だって!私……』
「あ?」
『ふ』
「ふ?」
私の言葉の先を促す班長。
『……………太ったから』
一瞬の間ができた。恐る恐る班長を見ると、
「ぶはっ!!アハハハ!!」
顔を赤くして、爆笑していた。
『なっ!?』
「お前っ!こんな時に、そんなこと、考えて……アハハ!お前、大物になれるわ!」
大笑いの班長。おっ、乙女にとっては大事なことなの!!
「お前も年頃の女の子なんだなぁ。クククッ。」
私が腰を掴まれているので、自然と班長とはいつもより近い距離にいる。いつも髪はボサボサ、ヒゲは伸ばしっぱなしな班長だが、よく見ると目はキリッとしてるし、顔立ちも整っているから、ちゃんとしていれば女性にモテるだろうなとしみじみと思った。
「リオ!お前やっぱりどっか痛いのか?」
気づいたら班長の顔が私の目の前にきており、私は慌ててしまった。さっき思ったことが、再び頭を過ぎったからだ。
『ちょっ、班長顔近いから!!』
私のその様子に班長は一瞬目を見開いて、そしてニヤリと笑った。
「お?なんだなんだ?顔真っ赤にしてどうした?」
『何でもない!!』
落ち着け落ち着け。これは班長だ。これは班長なんだ。意識する意味がある?いや、ないね。
「…………っ!? リオ」
『へ?……うひゃぁぁ!アレン!リナリー!』
コムリンがすごい勢いで暴れているようだ。