第3章 黒の教団壊滅事件
「……というわけだ。悪いな…こんな理由で」
『…ほんとだよね。』
私たちはぜーぜーと息を荒くして、隠れていた。やっとコムリンを巻いたのだ。一休みとしよう。
「リナリーさんは大丈夫なのですか?」
トマが私に聞いた。
『麻酔を打たれただけだから大丈夫だと思う。トマは大丈夫?』
トマが怪我をしているというのは消毒液の強い匂いでわかった。
「ええ。今のところは。しかし……」
『うん。せめて…リナリーさえ起きてくれれば……あれ壊してもらえるんだけど……』
アレンの対アクマ武器も本調子じゃなさそうだし。…困った。ふと、アレンたちを見て、思い出した。
『あ、忘れてた。トマ、アレン、おかえり。』
「ただいまです。」
トマはすぐ返事をしてくれたのだが、アレンは私の顔を見てぼーっとしていた。……?私変な事言ったかな?
『アレン?』
「あっ!ごめんなさい。」
「どうした?もしかして傷が痛むのか?」
リーバー班長がアレンの顔を心配そうにのぞき込んだ。今回の任務はかなりハードだったようだ。
『大丈夫?』
「へ、平気です。あの……ただいま」
にこっと笑うアレン。私はリーバー班長と顔を見合わせて、首を傾げた。
「おーい無事か!!」
『みんな!』
科学班や室長の姿が見えないと思ったら、あんな所にいたのか。みんなボロボロだった。
「班長もリオも早くこっちへ!!」
「リナリィーーー!!まだスリムかいーーーー!?」
みんな慌てすぎて、何を言っているかよく分からないが、室長はリナリーがマッチョになっていないか心配しているようだ。
「落ち着けお前ら」
班長が呆れたように言った。
『………室長、こっちに来て止める気ないよね。』
「…だな。」
室長の様子に私たちが呆れていると、再び聞きたくないあの音が。まっ、まさか……
『きっ、きたぁぁ!?』
コムリンが先程まで私たちがいたところをペシャンコにし、私たちを追いかけ始める。
「リオ、お前大丈夫か!?」
『大丈夫!それにみんな怪我酷いから!!リナリーは私にまか……うわっ!?!?大砲!!』
「どわわわわっ」
科学班がコムリンに打つはずの大砲を無差別に打ち始めたのだ。おかげで私たちにも当たりそうになった。
「何してんだお前ら!!殺す気か!!」
「反逆者がいて…」
反逆者とは室長のようだ。