第3章 黒の教団壊滅事件
それから私達は科学班の所へと向かった。作ったケーキのおすそ分けだ。
『室長、仕事終わったのかな?』
「…どうだろう?でも昨日リオが手伝ってくれたおかげで少しは楽になったみたいよ。」
『私が手伝えることは少しなんだけどね。それならよかった。最近皆、忙しそうだから。』
「そうよね。兄さんたちだけじゃなくても忙しいみたいよ。私たちだって任務増えたし。」
『神田もアレンも引っ張りだこだもんね。リナリーとこうして話すの久々だし。』
「ふふっ、そうね。よかった。リオとケーキ作れて楽しかった。」
『私もだよ』
「リィーナリィー!! 僕の可愛いリナリー!!」
科学班のドアを開けるとリナリーに真っ先に飛び込んできたのは室長だった。……よかった私がケーキを持っていて。
「リオ!それは……」
『ケーキだよ。リナリーとジェリーと作ったの。』
「お兄ちゃんのために作ってくれたのかい!?僕は良い妹たちを持って幸せだぁぁ!!」
「みんなの分もあるのよ兄さん。」
このままでは室長に全部食べられてしまう。私たちは慌てて皆に配り始めた。
「はい、班長。」
「おお!これお前達が作ったのか?」
『うん。ジェリーのはプロ級のやつで、可愛いのはリナリーの。』
「…………これは?」
リーバー班長にあげたのは、最後に残ったその二つとも当てはまらないケーキ。
『…………形が崩れて見るも無残なのは私』
「ぶっ!!」
『……あ、味は……その…大丈夫……と思う。』
ううっ!混ぜすぎちゃって1人だけ膨らまなかったんだもん。それにデコレーションとか……不器用な私には…その……
「そうかそうか。リオはこういうの昔から苦手だったもんな。………ん!美味しいぞ。ありがとな。」
『班長…』
「リオ、大丈夫だよ。美味しい!」
『ジョニー…』
その他にも不運にも私のに当たってしまった方々が嫌な顔一つせず、美味しいと言ってくれた。ううっ。涙が出てくる。
『飲み物はちゃんと綺麗に入れてくるから!!待ってて!!』
「ふふっ。よかったね、リオ。」
『うん!』