第3章 黒の教団壊滅事件
『ジェリーの飾り付けプロみたいだよね。』
今日作ることになったのはケーキだった。卵が余ったらしい。今日に限って、消費してくれるアレンがいないもんなぁ。
「そう?ありがと。」
ジェリーは嬉しそうに微笑んだ。料理もプロ級なのに、お菓子まで作れてそれもプロ級だなんてジェリーは本当にすごいと思う。
「味も凄く美味しかったわ。」
『うん!お店出せるよね。私毎日買いに行くよ!』
「やーね!毎日食べちゃったら、太っちゃうわよ。」
『うっ!それはやだ。』
最近3キロ太ったのに。チラッとリナリーを見ると、スラリとした足や腰で、スタイル抜群。しかも可愛いとくるから、非の打ち所がないとはまさにこの事だ。
「ふふっ。大丈夫。リオは太っても可愛いから。」
『可愛いのはリナリーだよっ!』
「あんたたち仲いいわねー。私も入れてちょうだい!!」
私とリナリーが抱き合って笑っていると、ジェリーが私たちに覆いかぶさってきた。
『「きゃー!」』
食堂は笑い声で包まれた。ふと、外を見ると何かがへばりついていた。…汚れ?よく見るとそれは人の形をしていた。…………あ。
「んもー!せっかくの女子会なのに邪魔ね!」
ジェリーがプリプリしてドアを開ける。お菓子作りのときは食堂は立ち入り禁止にしているのだ。
「……ごめんなさい」
リナリーが呆れたように誤る。そのへばりついているのは言わずとも室長だった。彼はリナリーがいる所には必ず現れるのだ。しかし、なだれ込んできたのは室長だけじゃなく、他のリナリーズファンクラブの方々もいた。
「あんたらねぇ!」
ジェリーの怒りの鉄拳が彼らに御見舞されたのは言うまでもなかった。