第3章 黒の教団壊滅事件
『…は、恥ずかしかった』
あの後気まずくなって、慌ててその場をあとにした私は、もう人気がない廊下を歩いていた。ここって無駄に広いんだよなぁ。
『………お化けとかいそうだな』
とか何とか思ってたら、段々怖くなってきた。言われてみればあの絵やらあの古びた甲冑やら所謂いわく付きものが多いような気がする。今にも動きそうで、喋りかけられそうでおそろし……
「おい」
『きゃぁぁ!!?』
思わずかがみ込んで耳を塞ぐ。しかし、何か聞き覚えのある声を持つお化けだな……と思い恐る恐る見ると…
「…」
眉間にシワを寄せてた神田が私を見下ろしていました。
『……なんだ神田か。どうかした?』
「お前が独り言を言いながら歩いていたからとうとう気でも触れたかと思っただけだ。」
失礼な!!言い返そうと思ったが、神田はどうやら今から任務のようだ。
『大変だね、エクソシストも。まあ、少ないもんね。気をつけて行ってきてね。………あ、そうそう。はいこれお土産』
私は神田にお土産の髪紐を渡した。神田は髪が長いのでいつも一つにくくっているのだが、この間見た時結構ボロボロになっていたのを思い出したのだ。神田はやはりお礼も言わずそれを受け取った。だけど、今使っている髪紐をとり、それと付け替えてくれた。素直じゃないなぁ。気に入ったらならばよかった。神田はくるりと後ろを向き、そのままスタスタと任務へと出かけてしまう。
『いってらっしゃい神田』
私はいつものように声をかけた。神田はいつも何も言わないのだが、今日は本当に小さな声で返事を返した。
「………………ああ。いってくる」