第2章 新たな仲間
アレンが涙目で私を見る。……うっ、捨てられた子犬のような目を……。あっ、もしかしてこの目の傷が星に見えるから、アクマのペンタクルって勘違いされたのかも
『室長! 彼が留守電に入れていた寄生型の対アクマ武器を持つ少年です。アクマの判別を可能な目を持っているようです。彼がアクマということは……げっ!?』
何やら殺気を感じたので、上を見ると綺麗な顔立ちを持つ人影が…
「どっ、どうしたんですか?」
『なんでリナリーじゃなくて……神田が!?室長の馬鹿ぁぁぁーー!!』
私はもしここでエクソシストを出されても、任務がまだ入っていないリナリーが来ると思っていたのだ。しかし、実際に来たのは冷徹の心を持つ神田。これでは私も巻き添えを……
「一匹で来るとはいい度胸じゃねぇか。邪魔だどけ!」
「ちょっ…ちょっと待って!何か誤解されて…」
『アレン、早く逃げ……うっひゃぁぁぁ!!』
神田が飛び、こちらへと殺気を強く向ける。私は思わず目をつぶると、気がつけば神田の腕の中にいた。
「……お前…その腕は…。ぐっ!暴れるなブス!」
『アレンっ!怪我してる!』
大きくなった腕にはこれまた大きな刀傷があったのだ。
「お前…大人しく…」
『神田! アレンはアクマじゃ…うわっ!?』
なんとまあ女の子を投げ捨てるなんて、こいつの心には優しさというものは無いのだろう。私は顔を地面にぶつけてしまった。
「そうですよ!僕は人間ですって!僕はエクソシストです。」
アレンの必死の説得もあいつは意にもかえさないようだ。
「中身を見ればいいことだ」
神田は対アクマ武器を発動させる。本気だ。
『神田待っ…』
私は思わず走り出した。アレンがもし本当に寄生型の対アクマ武器を持つエクソシストならば、貴重で私なんかよりも大切な存在だ。
「なっ!?リオ!」
『室長のあのきったない机にクロス元帥の紹介状あるからーー!』
私は室長に聞こえるように叫び、アレンの前に立った。私…死んだかも。
「……元帥から?招待状?」
しかし、神田は私の言葉に刀を止めてくれたようだ。剣先はぎりのところで私の目の前を止まっている。あっぶない。