第16章 また会えるかな?
「ねー、ー、前遊んだ時に選んであげた同人誌どうだった?最高だったっしょ?」
「マジ神」
「もっと讃えてくれても良いのよ?」
飲んでいた麦茶に入っている氷がカランと音を立てる。
ここは奈穂美の部屋だ。清潔感のある部屋だが、チラホラと趣味が顔を出している。今は私と同じでおそ松さんが好きで、奈穂美曰く今の自分のトレンドはおそ松兄さんらしい。
奈穂美がおそ松兄さんが好きで私はカラ松兄さんが好き。だから二人して『うちのトレンドはおそ松!私のトレンドはカラ松!二人合わせて長兄松!!!』とかよく分からない事を叫んだりしている。(自分達の部屋とかで)
話は戻るが、恨めしいことにカラ松(見た目は私)と奈穂美が一緒にショッピングに行った時にカラ松が私の為に買ってきてくれた同人誌は私の趣味を完璧に把握している奈穂美に選んでもらったみたいだ。
三次元に戻ってきた時に、シャワーを浴びた後ニヤニヤしながらその同人誌を手に取り読んでみたが………。
言葉に表せないほど、萌えた。
神様、仏様、奈穂美様……………ッッ!!!
と何回もローテーションで読み返して満足した後に手を合わせて拝んだ。
今日はその素晴らしい同人誌をセレクトしてくれた奈穂美に感謝をする為に奈穂美の部屋に遊びに来たと言っても過言ではない。
「あーー、そういえばさ、同人誌の話で思い出したんだけど。別にうちが同人誌をセレクトするのは構わないんだけどさ、何であの時初めてレンタルのAVを借りに来たDTみたいに挙動不審だった訳?」
「だれが童貞だッッ!!!……って、え、マジ?私そんな挙動不審だった?」
「うん、マジ挙動不審だった。
うちがコレとか好みだよね?って聞いたっけさ〜『えっ、こ、こここここんな…!!…うん、私こーいうの好み、だ、よ?』ってさぁ!!!マジウケるんですけど!顔赤くしちゃってさ!」
「」
(おいおいおいおい、何が元演劇部だから安心しろだ!全然安心出来ねぇわッ!!!!
予想を遥かに超えて挙動不審だな!?……きゃわぃいいいいいッッ!!!カラ松ゴメンねぇ!頑張ってくれてありがとう、マジ愛してるよ!カラぴ!!)
「んーーー、と…あん時の私さ…何でか自分でも分かんないんだけど。腐女子のレベルが初期設定になってたみたいなんよ。何でか。」
「な ん だ そ れ」