第15章 戻ってきたぞっ!!
今すぐ家に戻ってシャワーを浴びたい所だが俺は十四松に聞きたいことがあった。
この質問は怪しくないだろうかと脳内で少し考えた後にやっぱり気になるし今なら十四松も然程深く考えずに答えてくれると思った。
(えーーっと…確か、曲の名前は”桜”という歌だったか。)
「なぁ、十四松?今日の朝の事なんだが……
十四松が桜って歌を聞きたいって俺の所に来た時あっただろう?その時何で………」
「何で聞くのやめたのかってこと?」
「…ん、そうだな」
十四松が察しが良くて助かったが、十四松の声のトーンが遊んでいた時よりか低くなり、俺は少し焦った気持ちになった。
少しの間十四松は、んーーと言う悩んだ声を出しながら軽く手をパタパタしながら俺の方に顔を向けた。
「えっと、えーっとね…………!
昨日カラ松兄さん桜歌ってくれたでしょ?俺凄い感動してカラ松兄さんにまた聞きたい!!って言ったんだ!
そしたらね、すーーーっごい悲しそうな顔をして”また、今度な”って言われちゃった!
それで、俺…何でか分からないけど、あぁ、もうこの曲は聞けないんだなぁって思ったんだよねぇ。
だから、今日その事を忘れてカラ松兄さんに言っちゃったから急いで断ったんだ!!」
「……そうだったのか、十四松…ごめんなぁ」
昨日十四松の”また聞きたい”と言う言葉にもう答えられないの気持ちを考えたら凄い胸がキュッと締め付けられるように苦しくなった。
ちゃんと俺の質問に答えてくれた十四松の頭を撫でながら俺は無理やり笑顔を作る。
(もしこの世界に”桜”という曲があったとしても、俺が覚えて歌うってのは何か違う気がするなぁ。
十四松との歌って感じがする。
あぁ……また、と交換出来ないだろうか、いやまぁ、俺がただ会いたいって言うのも否定はしないが……!)
「いいの兄さんっ!気にしないで!!
それよりもまた昨日みたいな顔になってまっせ〜!昨日みたいにしたらまた笑ってくれるっ?」
なでなで
優しい手つきで頭を撫でられる。
十四松の笑顔と頭から伝わる優しい温もりに俺は泣きそうになってしまった。
も今みたいに十四松に励まされたのだろう。
「あぁ!元気になったぞ!
十四松ありがとなぁ、んじゃ、さっさと家帰ってシャワー浴びないとなっ!」
「アイアイサ〜!!!」