第15章 戻ってきたぞっ!!
「うわぁ!?」
「へへ〜ビックリしたぁ?」
背後から声がしたと思った瞬間、背中に誰かに抱きつかれた。俺は驚きの余り結構大きな声を出してしまっていた。
後ろを確認するまでも無く声の主は明らかで、俺は驚きの反動で笑い声を出しながら後ろを振り返った。
「おいおい、じゅーしまぁつ?ビックリしたじゃないか!」
「ごめんごめーんっ!兄さん見つけて嬉しくなっちゃったから思わず抱きついちゃった!」
(ン”ン”ン”ン”ッッ俺の弟がこんなにも可愛い…!)
「野球するって約束していたのに何も言わずに出掛けてしまって悪かった!」
「んーん!でも今日はご飯食べるのも出掛けるのも早かったね!だからちゃんと見つけれて良かったぁっ」
十四松の言葉に申し訳なくなりながらさりげなく自分の服装を確認すると、急いで出てきた為に簡単に着替えられるパーカーを着て来ていた事に安堵する。
その判断は合っていたようだ。流石にパーフェクトファッションで野球はし辛い。服を余り汚したくはないしな。
「何時もの公園で良いか?野球するの」
「うんっ、俺ちゃんと二人分のグローブ持ってきたよ!早くやろ!」
「あぁ!いっぱいしような!」
ーーーーーー
パーカーが汗でびっしょりになる位、二人で野球をした後に近くの自動販売機で二人分の飲み物を俺は選んでいた。
やっぱり、いっぱい汗を掻いたから塩分が入っている飲み物が良いだろうと少し悩んだ末、ポッカスウェットを購入した。
「十四松!汗いっぱいかいただろう?これ今買ってきたから飲んで良いぞ」
「え!!いーの?ありがとーーっ!ジュース冷え冷えだべ〜」
飲み物でそんなに嬉しそうに笑ってくれるとこっちまで嬉しくなってくる。
よっぽど喉が渇いていたのか、一気にペットボトルの中身が半分くらい無くなった。それを眺めていた後俺もペットボトルのキャップを開けて、冷たいのポッカスウェットをゴクゴクと喉に送る。
「あ〜〜、美味いなぁ……」
(沢山運動した後の冷たい飲み物って何でこんなに美味いんだろうか…。あぁ、身体に染み渡るようだ。)
「うん!すっごい美味しいねぇ!!!
たは〜、汗ヤバイ!!!」
半分くらい残っているペットボトルを片手にパタパタと顔を手で扇いでいる十四松。
確かにこれはシャワーを浴びた方が良いレベルで汗を掻いてしまっている。