第15章 戻ってきたぞっ!!
「なぁ……一松、昨日俺に何をされたか言ってみろ」
「ーーーーーッ、え、っと……、蔑んでもらった…けど、もうして貰えないから昨日の今日ぐらいあの視線だけでも貰おうかと思って……
で、でも、僕ちゃんと約束したからもうクソ松に無理に言ったりしねーよ!」
(…………え、えぇえええええええ!!?ちょおおおおおお、嘘だろぉ!?”蔑んで貰った”って!!!
マジかよ!そりゃあだって隠したくなるよな!お、俺の姿で一松にあんな事やこんな事を言ったって事だろ〜?あばばばばば)
俺の頭に思い浮かんだのは、少し前に一松に蔑んでくれない?とゲスな顔で頼まれた事だった。(必死で断った)
びっくりした事が顔に出ないように俺は一松から昨日の事を聞き出すために元演劇部の力を信じて、不機嫌そうだれけどどこか楽しそうな顔をしながら一松に問いかけた。
すると、どうだろう。さっきまでの強気な一松は何処へやら。ゾクゾクと身体を震わせながらおどおどと昨日の事を話してくれる。
あぁ…なんとなく分かり始めたかも知れない。
昨日の写真も何であんな顔していたのか、とかな。
「約束したんだったらちゃんといつも通りにしないとダメだろう。視線も勿論ダメだ。
…分かったか?」
「…………うん、分かった」
「オーケー、良い子だ!んじゃこの話は終わりにしよう。あ、十四松が何処に行ったか分かるか?」
「確か、お前を探しに行きながら野球してると思うけど。」
「……!?それは本当かリトルブラザー!!!
じゃ、俺十四松の事探しに行ってくるなっ!」
(俺の事探してくれていたのか!今行くからなジューシマァツ!!)
一松に別れを告げてから小走りで玄関から出た俺は、忙しなく動かしていた足の速度を落とした。
「うおおお……まさかと一松の間に主従関係が出来上がってるとはなぁ…、これは驚いた。
でもまぁ、のお陰でもう無理に言わされる事が無いからそれはありがたいな」
さて、十四松だが。一松は俺を探しながら野球をしていると言っていたからもしかしたら公園にいるかも知れない。
「カ………さー……た」
「………んっ?今何か聞こえたような」
キョロキョロと周りを見渡してみても声の主は見当たらない。気のせいかと思い視線を戻した………
その時だった。
「カラ松兄さんみぃーーっけ!!!」