第2章 カラ松一日体験〜導入、おそ松編〜
「……ま………おき…クソ…つおき……」
誰かに強く揺す振られてゆっくりと目が覚めた。
…が、私は朝に滅法弱く人に無理やり起こされると機嫌が悪くなり口が悪くなってしまう。
「うっせぇな、なんだよ…………」
半分寝ぼけながら起こしてきた相手を軽く睨む。
……んんー?私今一人暮らしだよね?今日休みだし誰も私の睡眠を妨げる輩はいない筈……、じゃあこの人は誰?
(というか…今、声めっちゃ低くなかった……?)
「…………⁉︎、クソ松‼︎起きろっつってんだよ!」
「グェ……⁉︎え、なん………っ、あ……」
寝ぼけながらグルグルと脳内で考えていると結構な力のパンチが掛け布団の上から炸裂し私はカエルが潰れたような声を出した。
その瞬間目が冴え、昨日の事を思い出した。
(カラ松と身体交換したんだった‼︎というか本当に夢じゃなかった‼︎)
それが分かった瞬間腹の痛みも忘れ勢いよく布団から飛び出した。恐る恐る自分の手を見てみる。……二次元にいるのか、私は。周りを見渡してみるといつも画面越しから見ていた六つ子が暮らしている二階だ。や、ヤベェ…………。
「おい、クソ松。お前頭でもトチ狂ったの?」
「いや、すまない…ブラザー、少し怖い夢を見てしまってな…」
「ふーーん…母さんがご飯作ったからみんなで食べろってさ、早く行かないとご飯なくなるよ」
「ありがとう、すぐ行くから一松は先に下に行っててくれ」
「分かった。あとお前が一番起きんの遅ぇから、布団畳めよ」
「分かった」
それだけ言うと一松は一階に降りていった。良かった…バレなかったみたい…。私は誰もいなくなった部屋で気持ちを落ち着かせるために大きく深呼吸をした。朝の空気美味しい。
深呼吸をしてみたが全く効果はなく…………私は今すぐ叫んで転げ回りたい衝動に駆られていた。
(ビックリしたビックリしたビックリした‼︎‼︎まさか一松が起こしに来てくれるとか思わないじゃん!あ、そういえば一松ってカラ松boyだったわ。やっばい……めちゃくちゃ不機嫌な声で睨んじゃったよ……カラ松、スマン……というか、布団を押し入れに入れて早く下行かないと全部朝ごはん食われる‼︎)
急ごうと畳んで布団を持つと予想以上に軽い。あ、カラ松ってすんごい力強いんだったわ。半端ねぇ。
急いで布団を片付けた後私は急いで階段を駆け下りて行った。