第1章 画面の向こうの嫁
「ボタン押す前に私と握手してくださぁい‼︎」
「お好きな松を」的な感じにカラ松の前にバッと右手を差し出す。
「握手……俺と?まぁ、いいが」
突然握手をせがまれて一瞬困惑したカラ松だったが、優しく私の手を握ってくれた。
「この右手家宝にすっぺー‼︎」
握手してくるれた右手を見ながら私は高らかに叫んだ。
もう手を洗えない!…と思ったがお風呂入んないとかキツイ…はっ、手形とかどうよ?いいね!採用!
「そんなに俺と握手したのが嬉しいのか?…変なガールだ」
「いやいやいや!カラ松と握手出来るとか奇跡飛び越えるからね!」
「そんなに嬉しそうだったら俺、何回でもしてやるぞ?」
「そんなにご褒美貰ったら卒倒しちゃうから‼︎」
ずっとカラ松と話していたいけどこのままじゃ話進まないし(メメタァ)そろそろ行かなきゃなぁ……。うぅ…
ご褒美も貰ったし、さて行きますか!一日限定の楽園へ‼︎
「そろそろボタン押そっか!あ、外行きたいときはテーブルの上にあるバックの中に鍵が入ってるからちゃんと戸締りよろしくね!財布の中に入ってるお金でご飯食べるか冷蔵庫の中漁って食べて!遠慮しないでバンバン使っちゃって良いから!
出来たらカラ松が居たっていう痕跡とか残してくれたら嬉しいかな!カラ松は?私に何か言う事ある?」
「俺は……んー、今日一日あいつらを頼むぞ!」
「任せんしゃい!カラ松の真似ならもう何回もしてるからばれないと思うし!変態オーラが出なければだけどねー」
「隠してくれ、俺が変態になってしまう!」
カラ松は笑いながら変態オーラは出すなというので仕方ないなぁ、と私も笑いながら二人で並んでボタンが置いてあるテーブルの元に近づいていく。
えーーと、確か私が黄色でカラ松が青だったような気がするなぁ、うん、確かそれ!
一応間違ってないようにとカラ松から渡されていた手紙を読み返すとちゃんと間違っていなかったようだ。
「私が黄色だからカラ松は青ね!せーので押すよ?」
「あぁ、分かった。いくぞ!」
「「せーーーのっ‼︎」」
ポチッという音が同時に聞こえる、その瞬間
「身体を交換します。今から十秒間目を開けないで下さい。では、一日体験どうぞ楽しんで。」
光が私達を包み込み、ゆっくりと私達は姿を消した。
(また君と話がしたい。…………。)