第10章 カラ松一日体験〜チビ太のおでん編〜
「さーーってとぉ……そろそろ帰るぞお前らぁ…」
「おっけーー」
「んーー……、帰るかぁ、いちまつぅ〜、帰るぞぉ」
「……………うん」
「帰るってさ十四松兄さん!」
「おおおおーー⁉︎帰るのっ?帰る!!トド松一緒に帰ろ!!!」
「うんっ、帰ろ十四松にぃさん!」
チビ太と話していた時におそ松がそろそろ帰るぞ、と席を立つ。
それにつられて他のみんなも席を立った。
「………。わーってるっつーの!!!今日はちゃんと払うってーの!」
チビ太の視線を感じたのか財布から一万円取り出しチビ太に渡す。それを見ていた私含めみんなは本当にこの金にがめつい長男が奢るなんて……と目を丸くしておそ松を見ていた。
「いやいやいや!!!何その信じられないって顔!!!
お前らが言ったんだろ、奢れって!!俺は約束は守る男なんだよ、ぶぁーかっ!」
「明日………槍でも降るのかな」
「うわっ……、これ絶対なんか後で利用される」
「にぃさんありがとぉーー!」
「信用…ないな、おそ松……まぁ、日頃の行いってやつだな。」
「カラ松のおそ松兄さんにしかしない塩対応キターーー!!!」
「マジお前ら無いわぁあああああ!!!十四松だけだぜ?お礼言ってくれた弟!!うっわ…心が寒い……凍えそう」
「冗談だって!ありがと、おそ松兄さん♡」
「お前はなんかあざといんだよトッティ!!」
「んだとコラァ!!トッティ言うなって言ってんだろ!馬鹿長男!!」
(……わ、笑そう…!!!だってこの六つ子、面白すぎない??今旬のお笑い芸人よりも面白いわこの子達。
ボケとツッコミが綺麗すぎて…!!!)
「店の前でデリバリーコントすんなよバーロー!!!
金払ったんだったらさっさと帰れ!他の客が来なくなるじゃねーか!!!」
「「「「「「ウィッス」」」」」」
強制的に帰らされた私達は酒が入っていつもよりテンションが高い状態で家に帰るための道を歩いている。
現在、九時過ぎ頃だ。
一日体験が終わるまで後、二時間半。
酒が入っている脳みそってやっぱりダメだ。
今の姿はカラ松。性別男。
いつもの私にはついていないものがついてる。
女子だったら男になったらやってみたい事ランキング上位に入っている事だと思うんだよね。
ボヤける頭でこんな事を思ってしまった。
(オナニーしたぁい!!!)
………と。