第10章 カラ松一日体験〜チビ太のおでん編〜
「(はぁああ〜〜、さっきはどうなるかと思ったよー…マジ、チビ太様々だわ)」
熱々のおでんをモグモグ食べながらさっき自分がしてしまった事を思い出す。
銭湯に行く時の道やチビ太のおでんを食べに行くためにみんなで歩いているところや話している時をムービーや写真を撮っていたものをみんなに気付かれないように見ていた。
可愛いなぁあ、とか思っていて。まぁ、その時からテンションは上がっていたのだけれど。
チビ太に会った瞬間はもっとテンションが上がったよね。多分それが原因だと思う。
自分の心の声が口から出ていた事は。
(本当に終わったと思ったけど…………)
私がどう言っても他の兄弟はからかうのを止めてくれなくて、どうしようかと軽くパニックになっていた時の事だ。
『よくわかんねぇが…さっさとおでん食えよ!オメェらが話している間におでん出しちまったから、早く食わねぇと冷めんぞ?』
その言葉を聞いた瞬間、私(カラ松)に集中していた視線が無くなった。やっぱりおでんは熱々が一番美味しいもんね!おでんの力恐るべし……!!!
ありがとう、チビ太…!チビ太は私の恩人だよ!
それからは私の失言を掘り返してくる事もなく、おそ松が言い出した、『女の子のタイプ』というテーマが予想以上の盛り上がりを見せている。
多分酒も入っているからだろう。
カラ松は酒が弱いのを知っていたからあまり飲まないようにしようと心に決めてから、みんなの会話を微笑ましい気持ちになりながら聞いていた。
「やっぱりなぁ〜〜!女の子はおっぱいだろ!」
「いやいやいや!足でしょーーっ!」
「何言ってんのさトド松〜お前のへそのシワフェチだろ⁉︎嘘つくんじゃねーよ、ケツ毛燃えるわァッッ!!!」
「うるせーよ、チョロシコスキー!!!」
「お前も大概うるせーぞ、トド松!」
「一松にーさん!大根食べるっ?味染みてておいしーよっ」
「…ありがと、十四松、おいしい」
(かぁいい………。まとも組は一見喧嘩してるみたいだけどみんな笑顔だし、楽しそう、兄弟って感じ…尊い…。
数字松は……何これ天使じゃん……。大根半分こしてる…ゴッフッ…ッ、尊すぎて吐血しそう……っ)
「なぁなぁなぁ!カラ松はどんな女の子がタイプ?あとーー、フェチ!」
「えーっと、俺のタイプとフェチか?」
(カラ松のタイプとフェチか……どうしようかな)
