第10章 カラ松一日体験〜チビ太のおでん編〜

「おいてめぇら。食べにくるのは構わねぇが、ちゃんと金持ってきてんだろーなバーロー！」

「ふふーん！今日はなチビ太、競馬勝ったから金あんだよ！」

(あ、競馬勝ったこと自分でバラしちゃうんだ)

「え？マジで？おそ松兄さんゴチになりまぁ〜す！」

「「「「なりま〜す！！！」」」」

「はぁああ！！？ざけんなおめーら！！！」

「今日の分だけでもちゃんと払えよ！おそ松！」

「なんで俺ェッ⁉︎」

「「「「「流石長男太っ腹ーー、カッコイーー(棒)」」」」」

「棒読みやめてェッッ！！！！お兄ちゃん泣いちゃう‼︎」

「泣いてるおそ松も可愛い(泣くなよ、長男だろ)」























「…………」

今までの和やかな空気が凍った。

「ちょっとぉおおおお、カラ松、逆！逆！(メメタァ)今日のお前なんなのぉ！？？」

「……！？ぉあぁああああ？！！違ぁああううううう！！！！」

自分の失言に気づいたときにはもう遅かった。
視線が私に一気に集中する。

「えっちょ、何。きもっちわり！」

「トド松誤解だぁああああ！！！」

(何で建前逆に言ったんだよ、意味わかんねぇえええッッ、どどどどーしよぉ！！？助けて赤塚せんせぇええ！！！)

いつも画面から見ていた、チビ太のおでん屋にいることで私の興奮のパラメーターが最高潮になっていたからだろうか。
…やっちまった。最悪だ。
カラ松→おそ松フラグを立ててしまった。それも立派な。何なんだよ、『泣いてるおそ松も可愛い』って！

「違うんだみんな、泣いてるおそ松なんて可愛いくないって言おうと思ったんだ。ほほほ本当だぞ？」

(あぁああっ、視線が痛いぃいいいっ)

「いやいやいや、嘘でしょ。…まさかカラ松…」

「本当に違う！おそ松の事好きとかそんなんじゃないぞ！？」

「ちょっとー、カラ松。兄ちゃんの事好きじゃないとか傷つくんですけどー！」

「兄貴はお願いだから黙っててくれ！」

「やだーー！兄弟の上二人がホモとか！」

「なになに、セクロス！！？？」

「…………うっわぁ」

「違うってぇえーーーーーーーーッッ！！！！」














「お前ら、いつオイラの存在忘れてねぇか……？というかおでん冷めんぞ」

こいつらどうしよう……と巻き込まれないように離れながら、冷めた目で見ていたチビ太であった。