第9章 カラ松一日体験〜銭湯編〜
「早く脱げよカラ松、俺先に行くよ?他の奴らはもう行っちまったし」
「わわわ分かってる!」
(ひぇえええっっ!!!やっぱり断れば良かったぁ………早く脱がないと変に思われる!見ないで高速で脱ごう!そして高速でタオルを巻く!
気合いを入れろッ‼︎アンコラァアアアア!!!)
高速で脱いで巻いた。見なかった。オッケェエエエ‼︎
「よし!行くぞ、おそ松!」
「なんでそんなに気合い入ってんの…?風呂入るだけなんだけど。」
おそ松に怪しい視線を向けられながら私は初めての男風呂に向かっていく。冷静になったら終わりだ。そして下半身には目を向けないこと。もしも不可抗力で見えたとしてもあれはキノコだ。チ◯コじゃない。
「……おおぉおお…」
力強く開けると湯気が立ち込める。
中に入るともう他の兄弟はお風呂に入っていた。おそ松は脱ぐのに躊躇していた私のことを待っていてくれていたのだ。ありがたや…。
(わぁーーーっあの銭湯だ…すげ…)
タオルが落ちないようにゆっくりとかけ湯を肩にかけてからみんなが入っているところに移動する。
「遅いよ、カラ松、おそ松兄さん!」
「いやいや、遅いのカラ松だから!俺は待っててあげたの!」
「ハハ…すまん、おそ松」
失笑を浮かべながらゆっくり足を湯に入れていく。
気持ち良い。ちょうど良い熱さだ。
「あ”ぁ〜〜…気持ちいぃ…」
「おっさんみてぇな声出すなよ〜カラ松ぅ…、あ”〜」
「どっちもおっさんじゃーん、やだね〜」
(はあぁ…気持ち良い…良ーい湯だーぁな♪
てゆーか、トッティにおっさん言われた…)
「良い湯だな、気持ち良い」
「そーだなぁ、やっぱここが一番良いよな〜」
おそ松と話しながら周りを見渡す(もちろん上半身)と余り若い人はいない事に気付き少し安心する。まぁ、私にはこの六つ子しか目に入んないけど。
「そろそろ、髪、洗わない?僕そろそろ逆上せてきた…」
「一松にぃさんだいじょぶ⁉︎」
「大丈夫だよ、十四松」
「一松。そろそろ洗おっか、後から来た二人はどうする?」
「お、カラ松どーする?まだ入ってるか?」
「……!!、一緒で良いんじゃないか?また風呂に入れば良いし」
「そーだな!んじゃ、みんなで行くか!」
「おっけ〜」
(………バカなのか私は。背中洗いっことか流石に危険過ぎんぞ。少し前の自分を殴りたい)