第7章 カラ松一日体験〜トド松編〜
丁度胸倉を掴まれてて顔も近いし、天使には聞かれたくないから耳元で言おう。小声で。
少し顔を横にずらし一松の耳が私の口元にくるようにする。一松は、何時もと(涙目+怯え)反応が違うことに違和感を覚え、離す前に私は声を出す。
『なぁ、一松。俺が折角十四松のお出迎えを譲ってやったのに不満か?というか、ちゃんと十四松を受け止めなきゃダメだろう?お兄ちゃんなんだから。だからお前はクズなんだよ…はぁ。…でもまぁ、気持ち良かっただろ?良かったな』
「……っ⁉︎な………、…チッ」
「写真撮らせてくれたお礼だ。一松!」
胸倉を掴まれたままグッと身体を引き離させる。今耳元で言った声の低さとは裏腹に私は嬉しそうに笑顔を見せた。
しっかし、本当に十四松のお出迎えタックルは凄いな。おそ松は受け止めたカラ松は凄いって言ってたけど、本当に受け止めきれないとは。あぁ〜、やっぱカラ松さいこーーーっ、抱いてーーー!!!!
「あ!そういえばカラ松にーさん!トッティ帰ってきたよ!まだ、晩御飯食べる時間じゃないし遊びに行けるよ!」
「………!!本当か⁉︎……でもまた四時半だぞ?今日は遅くなるって言って……あ。」
(あれか。あれですか……女の子にフられたんスか。)
だったら結構ショックだと思うんだけど、誘っても大丈夫かな……。まぁまず、トッティの状態を見に行こう。
「嘘だろ〜〜、まさか僕がおとせないなんて……ありえないでしょ。あのクソビッチが………」
予想以上に病んでおりますやん!!!!!
クソビッチ言っとるで、この子!そんな汚い言葉使っちゃいけません!
居間の畳に死んだ毛虫如く俯けに倒れていて動かない。けれどぶつぶつと何やら呟いている声は聞こえる。うーん、今日はほっといた方がいーのかなー?
「………………カラ松兄さん。」
「ひぇえええ⁉︎と、トッティ……帰ってきたのわかってたのか」
「そりゃ………、まだ玄関から一松兄さんと十四松兄さんの声聞こえるし。近づいて来る足音なんてカラ松兄さんしかいないじゃん。」
「チョロ松と兄貴は?」
「…………二階にいる」
チョロ松とおそ松は二階にいるんだ。まぁ、もう少しで暗くなるしね。
………おい、トッティ。
「そうか。…なぁ、トド松…その体制で喋るの苦しくないのか?流石にやめたらどうだ?」