第6章 カラ松一日体験〜一松編〜
「帰ったぞ、ブラザー!」
「…………。ただいま」
結局サングラスを一松はずっとつけたまんまだった。
(やっぱり一松はカラ松ボーイなんだなぁ。家に帰るために道を歩いていた時に一松は多分私が見ていた事は気づいてないと思うけど、つけさせられたサングラスをたまに触って笑ってたもんね、そのたんびに私がどんだけ発狂しそうになったと思ってんの一松くぅん!!!!勘弁してくだせぇ‼︎)
「…………この足音……天使か?」
「…………は?天使?何言ってんのクソ松。」
おそ松と一緒に帰ってきた時に聞こえたあの足音。今も迫ってきている。デジャヴだ。
………今回の天使のタックルは一松に譲ってあげよう。うん、そうしよう。
そう思い私は素早く一松の後ろに移動する。一松は迫ってくる音と私が後ろに移動した事で、標的は自分になったと悟ったみたいだ。一点を見つめて身体が硬直している。
「おっかえりーーーーっ!カラ松兄さんと一松兄さん‼︎とぉおーーう!!!」
「じっ、十四松‼︎無理無理、僕じゃなくて後ろにいるクソ…………ぐっはぁっ…⁉︎」
「んえー⁉︎今何か言った?一松兄さん!つか、大丈夫っスか⁉︎」
「……………ぐ…は、じゅ…十四松…お前……!
………良いタックルだったよ、良い感じ。…でも重い、退けて」
「ごめーーん、にーさん!今退けるね!」
思った通り十四松という名の天使が走ってきた。十四松が抱きつく標的を一松に定めた瞬間にさっきまでいた定位置(一松の隣)に戻る。そうしないと天使のタックルを受け止めきれなかった一松が後ろに倒れてくると思ったからだ。え?普通そこは倒れそうな一松をこの馬鹿力で助けろって?嫌だよ、なんか良いものが見れそうな気がするし。
受け止めきれなかった一松は床に尻から落ちる。その上に飛んで一松に飛びついた十四松がいる。簡単に言えば十四松に一松が押し倒されてるような感じ。
「…………これ、pi◯ivで見たことある………」
十四松が一松の上から退ける前に見えない速さでスマホを取り出しカメラ画面に切り替え連写した。
うむ。綺麗に撮れた(鼻血)
「何撮ってんだクソ松、お前………‼︎」
退けてもらった一松は助けてもらえなかった+連写で御立腹らしく私の胸倉を掴んできた。今すぐにも拳が飛んできそうだ。
殴られるのは本当に勘弁して欲しい。あ、罵しろう。