第6章 カラ松一日体験〜一松編〜
「じゃあね、にゃんこ」
食べ終わった猫缶を回収して、二匹の頭を撫でてから私は袋を持ち立ち上がった。
家を出てからあいつらのせいでもう30分が経過していた。早く見つけないと。
「………………何してんのクソ松、⁉︎何その大量の猫缶…」
「い、一松⁉︎いたのか、気付かなかったぞ!この猫缶か?貰ったんだよ、一松に渡そうと思ってな」
一松が陰から突然現れた。心臓止まるかと思ったよ一松!でも、一松に丁度会えて良かった。もしかして近くにいた?…さっきの見られてないよね…?見られたり聞かれてたりしたら流石にヤバイし、カラ松が乱暴なやつだと誤解されてしまう!
動揺しているのがバレ無いように一松に猫缶が沢山入った袋を渡す。こんなに猫缶が詰まっている袋を見た事が無いのか、じぃっと袋の中身を覗いている。きゃわぃいいいい……ハァハァ…
「………………ありがと、カラ松」
「…………!!!お、おう!喜んでくれたなら俺も嬉しい」
【速報】一松がカラ松にお礼を言った!!!!
さっきのにゃんこ二匹が一松の元に近づいて行って嬉しそうに撫でられている。もしかして、私(カラ松)の事を一松と勘違いして助けを呼んでくれたのかな?顔似てるもんね。そのお陰で私はにゃんこを助けられたワケだし。同じ顔セラヴィ〜!
「にゃんこ可愛いな、一松」
「そうだな」
一松がいるからなのかどんどんにゃんこが集まってきた。一松ねこあつめだ……!沢山のにゃんこに囲まれて幸せ〜、触り放題!楽園だぁ〜!
一匹の猫を抱っこして背中を撫でる。そしてそのまま前足の脇に手を入れて持ち上げて自分の顔にお腹が来るように設置する。
「はぁああ………草原の香りがする……ハァハァ、君良い香りだねぇ…ありがとうございます…」
「息荒くない?変態みたいでキッショいんだけど…何、それ」
「何って猫吸い。」
「………猫、吸い?猫に吸うって書いて猫吸い?」
「そうだぞ、一松もやって見ればいいぞ。天国が見える」
モフモフと匂いでだけど、たまに吸いすぎて酸素不足になって天国に行きそうになっちゃうんだよね〜。これマジだからね、猫好きさん!気をつけてね!
まぁ、それで天国行けたらそれはそれで満足な逝き方だけど。
「後でやってみる。………でさ、クソ松
さっき、猫助けてくれたよね、ありがとう……ヒヒッ」