第4章 カラ松一日体験〜十四松編〜
「六つ子に生まれたよ〜」
「アイアイ!」
「六倍じゃなくて」 「六分の一」
「六つ子に生まれたよ」
「ウィーー!」
「育ての苦労は」 「考えたくない」
「六つ子に生まれたよ〜」
「ポーーン」
「生活臭も」
「「野郎六人分〜」」
「六つ子にうま〜れた〜」
「六つ子にうま〜れた〜」
『『六つ子にうまれたよ〜〜ん』』
し あ わ せ
本物の十四松と筋肉松の十八番の『六つ子にうまれたよ』を歌った‼︎最高‼︎やっばい‼︎
この為にギターを練習したと言っても過言ではない‼︎
「十四松は本当に歌が上手いなぁ!」
「ありがと兄さん!兄さんもす〜っごくじょうず‼︎」
「へへっ、ありがとうな、十四松」
嬉しさが勝り優しく撫でるというより犬を褒めるようなわしゃわしゃとかき回すような撫で方をしてしまう。
だけど、十四松は髪が乱れるのも気にせずに嬉しそうにされるがままになっていた。
撫で終わった後ボサボサになった十四松の頭を撫でて直してあげる。
「へへ〜、にぃさん、ありがとー!」
(あぁ………空気が洗浄されていく………。)
あ、もう一つカラ松の声で歌いたい歌があるんだよね。
弦に指を触れ、メロディを奏でていく。
「この曲……聞いた事ないけど、良い曲だね。」
「だろ?」
私がこの歌がすごい好きだ。だから十四松にこの曲を褒められた事が凄く嬉しい。
私はすぅっと大きく息を吸って歌を歌い出す
「すっ……すっげーや、にいさん……それ、なんて曲?」
「桜っていう歌だぞ、良い曲だろう?俺、この歌大好きなんだ」
「うん…うん!俺もこの曲好き!にーさん俺、すっげー感動したっ‼︎また聞かせてね!」
「………また、今度な」
(もう、今度はないけどね、ごめんね、十四松)
「………カラ松兄さん」
「ん?どうした十四松?」
「…………‼︎」
「いっつも俺にしてくれるからお返し!これで元気になるよ‼︎」
十四松に頭を撫でられて撫でられ慣れていない私は固まってしまう。…十四松に心配かけちゃうくらい情けない顔してたのか。ダメだなぁ、私。
「ありがとう十四松。俺はお前が弟で幸せだよ」
「俺もでっせー!にーさんが俺のにーさんで幸せ!」
「さって………そろそろチョロ松の約束の時間だ。一階に戻ろうか」
「了承でっす!!」