第3章 一日体験〜カラ松視点〜
「にゃあーん」
「………ん?」
本棚に近づこうとしていた時に足にもふっとした感触と愛くるしい声が足元から聞こえる。
目線を下に向けてみると猫が二匹俺の足元にいた。何故今まで気づかなかったのかと思う。良く部屋を見てみると、猫専用のトイレが二つにキャットタワー、ご飯をあげるための食器、寝床などが置いてある。
「………可愛らしいな」
しゃがんで順番に頭を撫でて上げると気持ちよさそうに目を瞑りゴロゴロと喉を鳴らさせながら俺の手に頬ずりした。可愛すぎるだろ、一松が猫が大好きな理由が途轍もなくわかった気がした。
「朝ごはんあげないとな」
ご飯は何処に有るのだろう、とキョロキョロ見渡してみるとご飯を入れる食器の少し離れた所に肉球の絵が描いてあるボックスを発見した。近づいてボックスを開けてみると猫の色々な種類のご飯やおやつが入っていた。
「ビンゴォ〜」
この子たちはそのボックスの中におやつやご飯が入っているのを分かっているのだろう。早くご飯頂戴というように甘えたな声を出す。
「今あげるからな」
瓶に入っているフードが多分いつもあげているご飯だと思い、蓋を開け二つの食器に適量入れる。その瞬間ご飯を食べだすのを見て、合っていて良かったと安心する。
は猫を飼っているんだな。種類は……確か、アメリカンショートヘアとラグドールだと思う。前に一松と猫喫茶に行った時に教えてもらっていたから。
ボックスに入ってるご飯やおやつの種類、遊び道具の多さ、写真、さっき撫でさせてもらった毛並みを見るとはこの子たちを凄く大切にし、愛情を与えているのだなと思う。
「名前は何て言うんだろうか。首輪とかに書いてないか?でも今はご飯を食べているし邪魔しちゃ悪いだろう」
そういえば本棚を見ようと思っていたのだと思い出し、本でも見ながらご飯を食べ終わるのを待っていれば良いだろう。
本棚を見ると漫画本や猫関連の雑誌がギッシリ詰まっている。しかし一番最後の段の本が異常に薄っぺらい。そしてめちゃくちゃある。
(こんな本見たことないな……)
好奇心に負け一番端っこの本を手に取ってみる。
「……え⁉︎……お、俺が居るんだが……あと一松……。R-18だ、と…、モブ×一松+カラ松?モブって誰だ?あとこの記号の意味はなんだ?」
疑問に思いながらペラペラっと紙をめくって見た。
