
第2章 カラ松一日体験〜導入、おそ松編〜

ポカンとして自分が今なにをされているのか分かった瞬間、おそ松の顔がぶわわっと真っ赤になった。
そして辞めさせるようにおそ松の手が撫でていた手を退かされる。そして真っ赤な顔のまんま怒った表情になり
(あ、もしかしたら殴られるかも)
「なにすんだバカラ松‼︎俺の頭はそんなホイホイ撫でられていーもんじゃねぇの!バァーーカッ‼︎俺、パチンコ行ってくる!じゃあな!」
捨て台詞を履くようにして逃げるように玄関から出て行ってしまったおそ松。
(いいもん見れたな〜ふふ、あ、おそ松にーさんに浸ってる場合じゃなかった!早く着替えないと!天使が待ってる!)
ニヤニヤしている場合じゃないと急いで靴を脱ぎ二階に上がる。そしてカラ松の服とアクセサリーが入っているタンスを開けていつも来ている青いツナギと黒のVネックに金のネックレスを取り出す。
「………カラ松のツナギの着こなしカッコよすぎだろ」
服を脱ぐ為に一旦服とネックレスは畳の上に置く。
そしてパーカーを脱いで袖の部分をちゃんと綺麗にしてから私は青のパーカーを眺める。ここで変態の私には我慢できなかった。”カラ松の匂い”を嗅ぎたいという欲求が。
「……………。誰もいないよね……?」
一松事変の一松並みに部屋や廊下に誰かいないか確認する。うん、誰も居ないみたい。いざ………。
カラ松のパーカーを顔に覆いかぶせるようにしてゆっくりと鼻で息を吸う。一生忘れないようにと脳みそにインプットしながら私は呼吸を何回か繰り返した。
「………はぁっ…素晴らしい……」
カラ松のパーカーの匂いは簡単に言うとめっちゃいい匂いだった。この家で使ってる柔軟剤なのかカラ松専用の香水なのかは分からないけど、すごく安心する匂いで自分好み過ぎてどうすればいいのか分からない。興奮する。
「ありがとうございますカラ松様……」
パーカーとズボンを畳んでタンスの近くに拝みながら置き、初めて着るツナギにドキドキしながら私は袖を通した。
「カラ松のめちゃくちゃツナギ似合う…この崩して着てる感じとか堪んない…」
近くに等身大の鏡があった為ドキドキしながら自分の姿を映してみる。かっこいい……。カラ松がずっと手鏡で自分の姿を見てるのも納得が行くほどのカッコよさ。ずっと見ていたいけれど…。
(早く十四松と遊んであげなきゃ‼︎)
そう思い私は小走りで階段を降りていった。
