第2章 カラ松一日体験〜導入、おそ松編〜
「なんだよ、兄ちゃんを眺めるお仕事って」
「良いじゃないか、弟の我儘聞いてくれよ。兄貴といる時間は兄貴の顔を見ていたいんだ」
「…………っ、バッカじゃねーーの!このカリレジェの俺を見るのは有料だかんな‼︎」
「兄貴、顔赤いぞ?」
「うっせ!バーカバーカ‼︎こっちみんな、お馬さん見てろ!」
(ふっへ…………赤面してる兄さんかわぇえ………鼻血垂れそうなんだけどどうすれば?)
おそ松が拗ねてしまって顔を背けてしまったので仕方なく(私もカラ松の顔面が崩壊しそうだった※ニヤニヤしそうだった)お馬さんに視線を向ける。ちょうどよくレースが始まるみたいだ。
バンッという音が響きお馬さん達が一斉に駆け出す、その瞬間周りにいた客席が一斉に沸き出す。
「なぁ、兄貴、兄貴はどの馬を応援しているんだ?」
「メジロマツクイーン‼︎走れーー‼︎、あの二番手に今走ってる白いお馬さんだよ、あぁああ!デッパインパクトになんか負けんじゃねぇえええッ‼︎‼︎」
私はその馬の名前を聞いて壮大に吹きそうになったが何とか抑えた。
見たら確かに二番手には白いお馬さんが走っている。今日の押し馬はこの子か。
「頑張れ!メジロマツクイーン‼︎」
私も混ざって応援に参加する。もう少しでゴールになってしまう。ハラハラしながら前のめりになって観戦していたその時だった。
『おおっと‼︎一番を走っていたデッパインパクトが爆散しましたぁああああ‼︎‼︎そして…………そのままゴールしたのは………メジロマツクイーン‼︎‼︎』
一瞬客席が静まり返った。そりゃ、そうだ。一番を爆走していたデッパインパクトが爆散したのだから。
だがメジロマツクイーンがゴールした瞬間には大きな歓声と罵声が飛び交った。只の紙切れと化した当たらなかったお客さんの馬券が宙をヒラヒラと舞っている。
「フーーーッッ‼︎今日は最高!やっぱりなぁ、今日は何か行けると思ったんだよなぁ〜!」
「フッ、よかったな兄貴」
「あっ、今日俺が競馬勝ったことは秘密だからな!その代わり何か今から食いに行こーぜ、飯は腹いっぱいでくえねーから甘いのとかどーよ?まだ十四松と遊ぶには時間あんだろ?トッティが美味しいってオススメしてた所にすっか!」
「俺は別に他のブラザーに告げ口したりしないぞ?
…でも、まぁ、兄貴が良いっていうなら御言葉に甘えさせてもらうか!」