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バーでの出会い

第11章 真実


そのうち連絡を取るタイミングがわからなくなって

メールで文字を打っては消してを繰り返し、電話も発信ボタンを押せないまま何日も、何ヶ月も経って

気が付けば3,4年連絡を取らなかった


だが、社員旅行で軽井沢に行ったある日



同僚がトイレに行っている間、俺はまっすぐな道を何も考えずにのんびりと歩いていた


すると少し前の方に、なんだか懐かしい姿を見た

もしかしたらと思い、思い切って彼女の名前を呼びながら覗き込んだ


『緒方さんですか?』


ほとんど苗字では呼んだことないのに

どうして苗字で呼んだのだろうか



すると彼女は

「え、なんで名前…」

俺のことを覚えてないようだった

『高校の部活で一緒だった奥田ですよ!』


「ああ!あのめっちゃ運動神経いい人か!」


相当変な覚えられかたされてたんだな俺


あれ、俺たちってそんな程度の中だったっけ

もっと覚えられてていいはずだし、まさか違う人と間違えてるとか…

紫音だしその可能性は高い





それよりも衝撃的なことを耳にしたせいで

そんなことはどうでもよくなった

「彼氏さん、ですか」




彼氏ができていたなんて…

高校の時も彼氏はできていたことはあったがその時はそこまで好きでもなかったからそこまで気にすることはなかった



だから今はショックがでかい

せっかくの軽井沢のいい空気が一気に嫌な空気に感じた


こんなことならちゃんと連絡とってれば良かった



卒業してから何回か告白されたこともあったが(まあほとんどは金目当てだったろうから)

全部断ってきたずっと紫音だけのことを考えてきた




だから本当に今になってちゃんと連絡を取っていれば

俺が、紫音の隣にいることができたのかもしれないと

相当後悔している


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