第11章 真実

『紫音、お待たせ』


「あ、うん……」



『ごめんね、連絡取れなくて』



「ううん、私もかけてきてくれたの出れなかったし」



『……あのさ、俺紫音のこと全然わかってなかった
俺の前でいっつも強がってて、いつも元気だよって言ってくれてて、俺はそれに甘えてた

本当は何か言いたいこといっぱいあるんだろ？

俺にだけは、弱音言ってもらえないかな……

それとも、アイツ…恭雅の方がいいか？』


「……一つだけ聞かせて？

ここ最近女の人とよく飲みに行ってたのは、

何？」


『あれは、紫音のことについて相談に乗ってもらってた』


「それだけ？」



『ああ……』



「そっか」


『……』


「……私、浩二がそんな人じゃないって思ってた

でも、もしかしたらって、やっぱり私じゃダメなんだって

考えたくないのに、そればっかり考えちゃって

どうしようもなくなって、恭雅に相談した


浩二も、そんな感じで彼女に相談したんだよね



実は、恭雅と電話してるの全部聞こえてた」


『え……？』


「あと、その相談してた彼女からも、そういう関係じゃないって聞いた
恭雅が色々やってくれたみたい」


『そう、なのか…』


「……その、もう少しだけ時間が欲しい

気持ちの整理がつくまで待っててほしい

ごめんなさい」



『いや、謝ることないよ

俺、もっと強くなるから

紫音にもう1度振り向いてくれるように頑張るから』


こうして俺らは少しの間距離を置くことにした