第9章 幸せにするのは
『私なら?』
プルルルルルル
「あ、電話…」
『誰から?』
「ええと、浩二」
『出ないで』
「え?」
『これだけ、早く友達に伝えたいからこれだけ答えて』
「え、あうん私なら、辛い時そばにいてくれる人を選ぶ」
『どうして?』
「どうしてって…私はだよ?あんまりそういう姿人に見せたくないんだけど」
『うん』
「それでも、そっとそばにいてくれるだけで落ち着くし、本当はそばにいて欲しいのに自分からそばにいてって、言えないと思うから…そういうのわかってくれる人なら一緒にいても頑張れる気がするっていうかね」
『そうか…』
「あくまで、私の意見だから、その子はどうか知らないよ?」
『うん、ありがとう』
「じゃあちょっと電話かけ直して…」
『もう一つだけ』
「なに?」
『今、紫音は寂しい?』
「え?それは…」
『知ってるんだ、最近あんまり上手くいってないの』
「え…どうして」
『連絡しても返ってこないんだってな
ごめん、さっきやっと連絡来たのに…』
「うん…でも出ようか迷った
浩二ここ最近女の人とよく飲みに行ってるらしくて…浮気だとは思わない、思いたくないけど
やっぱりどういう関係なのか気になって…」
『そうか…』
「…今日家に帰れば多分浩二が来る
電話で出れなかった時は大体家来てくれてたから」
『じゃあさ、僕の家来ない?』
「え?」
『別に変な事はしないよ、ただあいつに会いたくないでしょ?今は』
「……うん」
『じゃあ行こう、家でなにか映画でも見ようか
明日は休み?』
「うん」
『じゃあゆっくりできるね、僕も休みなんだ』