第3章 ふたつめ。
side 名無
声が、出せた。
身体を、動かせた。
博士は、いつもニコニコ笑ってくれてた。
でも、それは。
ずっと私が忘れてた・・・感情、だったんだ。
博士は。
ずっと教えてくれてたんだよね。
笑う、って事を。
博士のいつもの笑顔は、好き。
だけど、嫌いでもあった。
辛そう、だったから。
解ってたよ。博士。
私の代わりに、笑ってくれてたんだよね。
『はかせ』
デカパン「っ、・・・なん・・・ダスか、?」
『あり、がと』
デカパン「、えっ」
『わたしの・・・かわりに・・・わらって、くれてたから。
・・・わたしの、かわりに・・・・・・ないて、くれてる・・・から』
デカパン「・・・っ!
名無・・・っ」
『だから、ありがと・・・』
デカパン「お礼を・・・っ言うのは、ワスの方・・・ダス!」
『・・・そ、か。
じゃあ・・・・・・おあいこ、だね・・・』
デカパン「・・・!!!
っっ・・・おあいこで、いいダスから・・・っ・・・。
もう、おあいこでも・・・・・・っなんでもいいダスから、!」
博士は、私をぎゅーって抱きしめて泣いてくれた。
私も、それに答えるように笑った。泣きながら、笑った。
言葉じゃ上手に伝えられないから、私も。
博士と一緒にぎゅーって抱きしめた。
ほんとに、ありがとう。
博士。