第2章 ひとつめ。
ぺた
デカパン「・・・・・・・・・っ、え」
ぺた
デカパン「・・・・・・・・・・!」
ぺた、ぺた
デカパン「・・・名無・・・、?」
なんで、どうして。
夢、なんだろうか。
思考回路がうまく回らない頭で、目の前の出来事を必死に理解しようとする。
『・・・・・・、・・・』
デカパン「え・・・」
『・・・・・・』
デカパン「名無・・・?」
『・・・は、か・・・せ。
な・・・・・・か、な・・・・・・で・・・』
はかせ。
間違いなく、そう聞こえた。
そして。
泣かないで。とも。
デカパン「・・・・・・!?
名無っ、名無・・・!!」
『・・・ん・・・』
間違いない。
名無が、ワスの頬に手を伸ばして。触れている。
何度も。何度も。
ボロボロと零れる涙を拭こうとしてくれてるのか、何度もぺたぺたと触っている。
こんなの、ありえない。
だって、名無は。
そんな否定ばかりの言葉の羅列を並べながら、目の前の現実が存在してるのを確かめるようにワスは名無を抱きしめた。