第14章 もしもシリーズ1/百華篇/なんでもありな人向け
『フフ…お天道様、ですか。随分と吉原を手なずけたようですね』
突かれた木刀を掴み、銀髪の侍を月詠達へ放り投げた。
「!!」
「銀時!!」
「ッグァア!!」
『私とて、吉原に、旦那に、全てを捧げたわけではありません。されど、居場所を作ってくれたのも事実。
困るんですよ、たかが地球産に、吉原(ここ)を潰されるのは』
「じゃあ、夜兎ならどう?」
『!』
「神威ィィ!!」
三つ編みの男の手によって、は数メートル飛ばされた。壁に激突し、すぐに体制を立て直すが、二発目の攻撃がくる。
『…っ旦那が、よく話していましたよ。春雨第七師団には雷槍(らいそう)がいると』
相手の拳を受け止め、クナイで足を刺す。相手がふらついた所を見逃さず、は相手から遠ざかった。
「君は、風槍。丁度いいじゃないか」
『…丁度いい?』
「風槍と雷槍、二人で一つだ」
『風神雷神みたいに言わないでください』
「君は夜兎なんだろ?あの夜王に気に入られていたなら相当の強さって事。
俺は今ここで楽しみたいところなんだけど、旦那が死んだ今、夜王は俺に変わった。
だから君が仕えるのは俺、君の居場所は春雨だ」
「「「!!」」」
『……春雨?何を勝手な』
「ついてこい、。夜王の代わりではなく、俺に」
((春雨に、風神雷神が揃った。恐れるものなど何も無い、と誰かが呟いた))
K(本当はこの場で殺るつもりだった。けど、戦場で笑う姿はとても美しかった)