第20章 第零師団は特殊で面白い/過去話/神威と絡みません
静まり返ったままの店内に、鳳仙の笑い声が響く。
「面白い。……おい、第七師団からは(アイツ)を団長に推薦しろ。」
「はっ、はい…!」
鳳仙はまた酒を飲むとニヤリと笑った。
静かだった店内がまた賑やかになっていく。
阿伏兎の隣に座っていた幼い神威は、阿伏兎のマントを少し引っ張る。
それに気づいた阿伏兎は頭を神威に合わせるように屈んだ。
「お?なんだ?」
「ねぇ。今の人って誰?」
「あァの事か。この間第零師団の事は教えたろ?そこの副団長だ」
「俺より強い?」
「今度相手になってもらいな。強すぎておったまげるぞォ」
神威は空になった茶碗を自分の前に置いた。キラキラした目の神威は考えている事が筒抜けで阿伏兎はギョッとした。
「ま、まぁ、相手してくれるかは分かんねェけど」
「どうして?」
「任務以外はほぼ部屋から出てこねェからな」
「…ふぅん」
それでもいつか相手してもらおうと神威は口角が上がった。
相手は第七師団育成がメインの副団長。隙をついたら本気になって相手してくれるはずだ。
『へぇ〜〜っくしょん!!ズズ…っ』
「副団長、風邪ですか?」
『いんや…違うと思うけどなァ』
「ところでさっきの第七師団団長とのお話なんですが…」
『あ、あァ、あれね、気にしなくていi「「「めちゃくちゃかっこよかったです!!」」」…えっ?』
ずいっと近寄ってきた団員に一歩下がりながらも、私はヘラっと笑った。かっ、かっこいい…?
「あの第七師団団長に怯まない姿!自分感動しました!」
『そ、そう?』
「俺もです!が団長になれるよう後押しします!」
『どうもありがとう…??』
そ、そんな興奮することか…?私はただ団長になったら今よりもっと楽できるかなァって思ってるだけなんだけどな?
((あー!鳳仙団長のせいでデザート食べるの忘れてた!!…まぁいっか。お会計任せたし♪))
K(はやく対戦したいなァ。そうだ!船に戻ったら声掛けてみよう)
A(このガキのためにが動くか…?俺からも言っとくか一応…)