第14章 もしもシリーズ1/百華篇/なんでもありな人向け
が、
駆けつけた時にはもう、
鳳仙の旦那は日輪の元で息絶えていた。
『…旦那』
「なっ…!?」
「「様!?」」
「!誰だ?」
「鳳仙に仕えていた女、。吉原の風槍(ふうそう)と呼ばれる百華の幹部だ…」
「クッソ…まだ残ってやがったのか…!」
『……旦那は、とうとう、太陽を拝めたのですね。日輪の元で』
銀髪の侍や百華の者達はいっせいにを見る。
は鳳仙の側により枯れてしまった薄い頬を撫でる。
『ちょっと野暮用で抜けていたらこのザマ。やはり私は残っていた方がよかったのでは』
___吉原の掟を犯すものを処断する吉原自警団、"百華"
『…そう、聞かされていたのは私だけでしたか』
「!」
『月詠、その侍たちに何を吹き込まれたのかは知りませんが、貴方は百華の頭。
そして此処は吉原。他所から入ってきた侍(客)に私達のルールを変えさせてはならない』
「違う!聞いてくれ…!もう吉原は変わったのじゃ!鳳仙はもう……っな!?」
ドゴォ!!
数十本のクナイを月詠へと投げつける。衝撃月詠はフラリと後ろへ倒れた。
「「「頭ァァ!!」」」
『……忘れないでください、旦那の"代わり"がいることを』
「オイ…」
風を切るようにヒュンとの頬スレスレを木刀が通る。
『…』
「もう、鳳仙の時代は終わったんだよ、オネーさん」
木刀とクナイが混じり合う音。
それに参戦する様に百華の者達がクナイを投げる。
「代わりでも、もうお天道様は見えてるだろ。勝負はシメーだァァ!!」
その木刀はの腹を突いた。
『フフ…お天道様、ですか。随分と吉原を手なずけたようですね』