第13章 猫は気ままにフラリ。/神威side/甘すぎてキモい←
『ギャァ!!』
俺のすぐ側での悲鳴が響く。
「っどうしたの?」
『※〇△☆ーー!!』
「何言ってるのか全然聞こえないんだけど」
『ななななんで…っ、かかか神威がががが』
「はい、深呼吸して。吸って~~」
『すぅ~~~~……っじゃねーーよ!
何で神威がここにいるの?!』
ってか、ちっか!と叫ぶとの距離は鼻と鼻がくっつきそうなほど。
は逃げようとするけれど、俺が腰をがっちりホールドしているから無理だね。
『私っ神威の猫と一緒にいたんだけど!』
「猫?……あ」
元 に 戻 っ て る !
『どこいったの!? 可愛い猫ちゃーーん!』
や っ た !
ギュウっとを引き寄せた。
首筋に顔を埋めて微笑んだ。
何を言おう。に。
__ビックリするかもしれないけれど、実は俺、猫になってたんだ。
それとも
__寢狐草星には面白い食べ物があったんだ。
とか、
うーん、土産話がいっぱいあるんだよ。
『…神威?』
「………会いたかった」
『……え?』
………あれ?
『どーしたの?そんな事言うの珍しいねェ』
「…も、会いたかったでしょ?」
『はぁ?そんな訳ないし~。アンタがいないほうが静かで楽「ほんとーに?」』
「本当に、は俺に会いたくなかったの?俺、任務中ずっと会いたかったよ」
『……』
「?」
『…私だって…会いたかったよ』
こんなに近くにいるのに、の声は消えそうなくらい小さな声だった。
俺の肩を掴む手に少し力が加わって、
途端にくぐもった声に変わった。
『だっでっ、心配でじんぱいで…っ電波通じない星に、2ヶ月、もっ!!声聞けな゛いし…、仕事だがら、わがまま言え゛な゛いじ…!!』
「!」
『会いたいに、ぎまってんでじょーが!』
「……」
『っな、に……っん』
抱いていた片手をの後ろの首元に移動し、俺の方に近づけて口づけた。
ほんの一瞬だけど、時が止まったかも。
「…どう?少しは安心したかな」
『……完全に涙止まりました…』