第13章 猫は気ままにフラリ。/神威side/甘すぎてキモい←
【神威side】
「にゃー」
さて、どうしようか。
猫になった。
鏡に映るのは白黒の猫だ。目は青色。首には三つ編みで作られた首輪。
原因の心当たりはある。
2ヶ月、任務へ行った星で食べたご飯だ。
その星は寢狐草(ねこぐさ)星。
ビジネスが盛んな星で、毎日地球に膨大な数の猫を配送する世間一般では悪質企業の塊だ。
「にゃーお」
幸いに、今日俺は非番。部屋に訪ねてくる奴もいないだろうし、ゆっくり寝ていれば元に戻るだろう。
ただ、
お腹がすいた。
だけどこの姿で外に出ることもできないし、万が一他のやつらに見つかったら、猫なんてすぐ捕まえられて捨てられる。
さてどうしようか。
一日くらい我慢できたらしているさ。
誰か持ってきてくれないかな。
『神威さーん!まだ寝てるの?珍しく起きてこないね』
? なんだ、虫の知らせでも受けたのか?珍しいこともあるもんだ。
遠慮なく俺の部屋に足を踏み入れるは、俺を見て驚いた。
『ねっ、猫……』
「にゃーお」
『激んちょに可愛い…。神威の猫かな?』
「なう」
俺は首を縦に振った。
野良猫ならもしかしたら捨てられるかもしれないだろ?
俺の飼い猫なら、捨てたやつは殺される。いい考えだ。
『凄い…言葉分かるんだ…。さすが神威の猫』
よしよし、と俺の頭を撫でる。
『早く帰ってきて欲しいなァ…。絶対本人には言わないけど!』
「にゃー…」
『あ、お腹すいてない?ちょっと待ってね』
俺をベッドに置いて、いたる所の扉を開けてゆく。
多分、餌とかなにかあると思っているんだろう。そんなものある訳ないよ。
『うーん、やっぱり無いなァ。私猫なんて飼ったことないから何あげたらいいか分からないし…』
普通のご飯でいいよ。変なもの出さないでよね。
『神威はどーやってご飯あげてたんだろ。私たちが食べるご飯かな?』
「にゃーお」
『あ、クッキーあったよ!食べる?』
「にゃん!」
『おぉ~食べるか~そうかそうか~♪』
がクッキーを数枚手のひらに乗せて俺の口元に寄せたので、そのまま俺は食べた。
この際なんでもいいや。食べれたら。