第12章 未来の私も変わらない私
阿伏兎と神威は顔を見合わせ頷いた。
「「何もかも違う」」
バァァン!!
『『怖ェわ!!』』
……。
「「『……あ。』」」
『……デテキチャッタ』
勢い余ってクローゼットから飛び出し、10年後の私と共に突っ込んでしまった。
「やっぱり本物じゃなかったんだね」
「おいおい、本物と見分けつかねェくらい似てんだけど。びっくりしてるよ おじさん」
「おかしいな、には兄弟はいなかったはずだけど…」
*
「10年後ねェ」
『うん、現にここにいるし、嘘ではないです、はい……』
『阿伏兎のせいなんだよ?5年前に設定した筈なのに、10年前に来ちゃったんだから』
「10年後は黙っててよ。どっちが話してるのか分からないじゃないか」
『ウィッス』
『ちょっと神威!私(10年後)に冷たくあしらわないでよ!』
「ややこしいな!
さっきの会議に出席してたのは10年後(こっち)だったわけだな?…じゃあは何してた」
『【は話さなくなった】』
「ドラク〇風にテロップ出すんじゃねェ!」
結局サボってただけじゃねェか!と阿伏兎に怒られてしまった。テヘペロ♪
「まぁ会議の時から薄々は気づいたけどね」
『そんなに違和感あったんだ』
「游燐から資料貰った後、タブレット動かして任務の構成決めたから、ほかの団員も気にしていたよ」
『いつもなら絶対しないな』
「阿伏兎に行かせて、吐かせようと思ったんだけど、頑なに拒んでたから、本物じゃないんだろうなぁって」
なにかある事に阿伏兎に甘える私を利用した作成だったわけか…。ま、負けた…。
『ってか、10年後の私、どーやって返すの?』
『あ、それは大丈夫!そろそろ異変に気づいて阿伏兎がなんかしてくれると思うから!』
「そういえば、今回の任務、どうして俺を外したの?」
『えっ、そんなイジメしたの?私(10年後)』
『あー、それねェ。神威が先頭突っ切って潰す作戦だったのよ。でも、敵の罠があってさ、神威は全治3ヵ月の大怪我になったんだ』
『なるほどねェ』
「行く前に知ってよかったな、団長」
「あぁ。に止められても行こうと思ってたからね」
『行くんかい!』