第1章 ヒロインちゃんの零師団団長放棄理由
私の足元には横たわる団員。ピクリとも動かなくなってしまった。
出入り口へ這いつくばって行く数人の男達。
脚を殺ったから立てない。だから鍵を閉めた扉を開けることは出来ない。
『第零師団の仕事は確か、第七師団の育成?だったよね。皆は元から強いし、適当に記録付けてたけど、まだまだ行き届いていなかったみたい』
「ひっ…悪かった!俺達が悪かった!」
「もう勘弁してくれ!」
『何言ってんの?トレーニングはこれからだけど。んじゃまー、全員立って〜』
「「「ギャァァアアア!!!」」」
私の育成は、スパルタですから。付いてこれないやつは即お仕置き!
*
『14時からトレーニングルームで訓練開始…、次の星に向け、スキルupを目指し……「!!」っびっくりした〜!どったの阿伏兎?』
珍しくノックもなしに部屋へ入ってきたのは汗まみれの阿伏兎だった。
私の前まで来ると、肩をがしりと掴まれてグラグラと揺らされた。
あー酔う酔う。やめてけれー。
「どーしてくれんだ…第七師団の半分以上は医務室送りになった!目覚めない奴もいるんだぞ!」
『ほへェ。まじでか』
「他人事みたいに言うんじゃねェ!」
『ごめんごめんって。ちゃんと今後の事も考えてやった結果だよ?』
「どこがだ!」
『ホントだってば!零師団の団員は丁度50人だし、解散して全員第七師団に入れたらいいんだよ』
「………は?」
『だから、足りない分を第零師団が補おうと…「それは分かってるよ!?」』
「そうなったらはどうするんだ……ま、まさか…!」
『へへん。理解が早くて助かるよ!もう書類出したし、ね!』
「嘘だろ!?」
『嘘じゃないんだなァこれが!』
「まだ数ヶ月しか経ってねェのに、正気か……」
『うん!私、
零師団の団長やめる!!』
((ふふーん♪ 元老院達に説明しなくても許してくれたよ!あんな奴らちょろいちょろい))
A(おいおい…どうするんだこれから)
K(第七師団を1人で…。俺とも殺りあってくれるかな)