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【銀魂】ヨルのウサギ 番外編

第1章 ヒロインちゃんの零師団団長放棄理由



私が第零師団の団長に昇格してから数ヶ月が経った。

仕方なく団長になったのはいいものの、周りの評判は良くなかった。
いや、もとからあまり期待されていなかったが。

廊下を歩くだけで痛い目、まともに春雨内を歩けやしない。
それに、すれ違う瞬間に舌打ちしてくる奴もいた。

一番酷かったのは何処かの星のクスリを頭からぶっかけられたこと、かな。
あれは一週間位ベトベトした。思い出すと吐き気がするわ。

ま、犯人は後でボコったけど。


今日も仕事のため、部屋を出て廊下を歩く。


『だから嫌だったのに…』


幹部の鳳仙が作った第零師団の仕事は、主に第七師団の育成なのだが、その第七師団は全員が夜兎族。


今日も記録を残すため、中央ホールを抜けトレーニングルームへと向かう。
トボトボ歩いていると、目の前に立ちはだかる男2人。



「おい零師団団長」


「ちょっくら付いてこいよ」



背の高い男に腕を引かれ、無理矢理トレーニングルームへ連れていかれる。

だれ?この2人。

別に何の抵抗もせず付いていくと、
着いた場所は大きなトレーニングルーム。

誰でも出入り自由のこのトレーニングルームには第七師団団員が50人ほど佇んでいた。
出入り口の鍵を閉め、男は私を円の中心に押した。

傘、部屋に置いてきちゃった…



「ッチまだ小娘じゃねーか。こんな奴に務まるか?」


「なにせ元老院のお気に入りだからな!」



ドガっと背中を蹴られ、一、二歩よろける。手に持っていた書類は床に散らばった。



『…貴方達はどこの師団?』


「俺らはお前の年上だぞ!」


「口の聞き方さえ生意気だな」



次に腹を殴られ、床に手を付き咳き込む。
散らばった書類はもう彼らによって踏み漁られグシャグシャだった。

私はヨロヨロと立ちあがり、殴られた腹を押さえながら頬を掻いた。



『武装的には第七師団なんだろうけど、見覚えのない団員ばっかりだなァ』


「俺達はまだアンタに挨拶もしたことない新米だ」


「まだお子ちゃまな団長には」


「ちゃんと教えてやらないとな!!」



見た事のある傘を片手に、一斉に私に向かってきた男達。

仕方ない。そのお子ちゃま1人に何人必要なのか、教えてやるか。

つーか、


『お子ちゃまお子ちゃまってうるせェェェェ!!!』


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