第4章 春雨にクリスマスなんて関係ない
『クーリスマスが今年もやってくる♪……ん?』
「やっ」
『…お疲れ様です神威提督』
綺麗にスルーしようと思っていたら軽く予想はしていたが腕を掴まれた。
『なんすか?今から私ゲームするんで』
「はい コレ」
ずいっと差し出されたのは大きな紙袋。
それを受け取り中身を覗くと、戦闘服かつ、私服でも着れるチャイナ服だった。
ワインカラーと黒の上下セット。
おまけに靴まで付いていた。
『オォー!くれるの?』
「ああ 気に入ったかい?」
『気に入った気に入った!私服のレパートリーないからさ!丁度良かったよ』
相変わらずニコニコしてる神威。
………なんか、怪しいな
この、紙に包まれたもの。これが一番怪しい。
『もしかして爆弾とか入ってる?』
「は?そんな事する訳ないじゃないか」
『ですよね』
じゃあ何で急に?と問いかけた。
「今日はクリスマス、だろ?」
『クリスマス?』
クリスマスって今さっき団員が言ってた話題っすか?あぁそうだね。子供にしては一大イベントだ。
「もしかしてクリスマスを知らないとか無いよね」
『いんや。神威がそんな事に興味があったことに驚いてるの!』
失礼だな、とあの笑顔を増した神威を見て一応謝っておいた。
「じゃあ俺は行くよ」
『えっ渡して終了?』
私の言葉に反応せず、急ぎ足で去っていった。
別に気に求めなかった私はさっそく自室へ帰り、紙で包まれていたやつの中身を開けてみた。
『ええっとー?おっアキラ様シールゥゥ!!!』
神威最高ー!分かってるねェ!
よし、番傘にアキラ様を……
カチ……ッ カチ……ッ
『?』
紙袋の中を覗いてみると、小型のアナログ時計が入っていた。
『なんだこれ?神威、こんな趣味あったのかな?』
まぁ、この部屋に時計なんてないし、使ってやるか!
そう思って私は、その時計を枕元に置いた。