第4章 春雨にクリスマスなんて関係ない
『……………は?』
フォークでさしていたステーキをポロリと落とす。
それを気にもとめずに、パチンッと顔の前で手を合わせる男達。
「お願いだよちゃん!今年のクリスマスプレゼント!妻に何あげようか迷っててさー…」
「俺も生まれたばかり娘のプレゼント迷ってるんだよな〜」
「17歳の娘には何あげればいいか…」
そうかそうか。今日はクリスマスなのか。そうだよね最近寒いなとか思ってたもん。宇宙だから分かんないけど。ソワソワしてる人多かったもん。
『プレゼントなんて、そんなもん金あげとけば誰だって喜ぶって』
「そんなのやらしいわ!!
頼むよちゃん!妻に喜んでもらえるように…!」
「娘には何を…!」
「ちゃんしかいないんだ!」
『…うーん………最近は白か黒のマフラーが流行ってるらしいから二つ買ってどっちか奥さんに選んでもらって余った方は自分が使えばある意味ペアルックになるし、生まれたばかりならオモチャとかじゃなくて重くて大変なオムツとか粉末のミルクとかの方が奥さんも喜んでもらえて愛情アップするし、年頃のお姉さんにはディ○ニーとかサ○リオとかの携帯カバーや美味しい食べ物を持って帰ると素直に受け取ると思うけど。』
「「「か、か…神だ!!」」」
『…たしか去年も聞いてきたよね。いい加減学習しなよ〜』
じゃあね。と食堂を後にすると背から姐さん!!と聞こえて顔を伏せた。
…あいつら、恥ずかしいじゃねーかよ。ちゃんと私と食器、片付けててよ。