第8章 グノーシス(KENN)
着替えを済ませ、キッチンに入ったKENNくん。
冷蔵庫を開け、品定めをする。
「うーん。」
「和食にするには時間無いかな。」
「洋食で良い?」
冷蔵庫を覗きながら、軽くこちらを覗う。
「パンもありましたし、洋食が良いです。」
「よし!じゃあ、洋食で決定~。」
「パンって、食パン?バケット?」
「えっと…少し固くなったバケットです…」
「固いか…じゃあ、フレンチトーストにしよう。フレンチトーストにするには調度良いよ。」
「では、アシスタントさん。卵を割ってボウルに入れて貰えるかな?」
少し伸びてきた髪を耳に掛け、私に話し掛ける。
「はいっ!」
私は嬉しくなって、大きな声で返事をする。