• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第4章 想いのツヅリ (福山)


「どうしました!?」

霧の中から現れた男性は、顔が小さくて背が高かった。

「えっと…」

「捻挫ですか?」

しゃがみ込む私を見下ろし、全てを察してくれたようだ。


「お恥ずかしながら…滑ってしまって…」

「立てますか?」

「さっきから挑戦してるんですが…なかなか…」


男性は両手を腰に当てて、何かを考えてるようだった。


少しすると私の前にしゃがみ込み話し掛けてきた。


「肩貸しましょう。」


向けられた笑顔にドキッとする。



「……申し訳ないです…。」


「よっと。」


「イタタタ…」


「うーん。やっぱり足に負担掛かっちゃうか…」

「仕方ない。我慢してくださいね?」


「え?」


そう言うと、男性は少し上半身をかがめた。


「ひゃっ!」


いつもより高い視線に驚く。


そして、目の前には男性の横顔…。


「恥ずかしいかもしれないけど、少し我慢してね。」


あまりの驚きに声が出ない。




遠くから声が聞こえる。



「紗友…」


「紗友?」


ん?

誰が呼んでるんだろう?


「紗友?」


目の前の風景が霞む。

また霧が濃くなる。


/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp