第4章 想いのツヅリ (福山)
「紗友?」
「紗友?こんな所で寝たら風邪引くよ?」
「ん……。」
「ほら。起きて?」
瞼をこすって、声のする方を見つめる。
「潤さん…?」
「寝ぼけてるのかな?」
時計を見ると2時。
「………お帰りなさい……。」
「ただいま。」
そう言って、額にキスをしてくれた。
「もう少し早く帰る予定だったんだけど…」
「事務所のコが体調崩してさ。」
「代役でラジオの生放送に出ることになっちゃって…。」
私の髪を指先で触りながら、申し訳なさそうに話し掛ける。
「そうなんですね。お疲れさまです…。」
「潤さんのこと待ってたのに…寝ちゃった。」
テーブルに肩頬を付き、潤さんを見つめる。
「待って無くても大丈夫なのに…」
「だって、帰って来てすぐに『お帰りなさい』って言いたかったんだもん…。」
「紗友は、本当に可愛いね。」
そう言って、今度は瞼にそっとキスをしてくれた。
潤さんの触れた箇所が熱を帯びるのを感じた。