第29章 strawberry(梶)

｢見てください！｣

｢こんなに大きいイチゴ見たこと無いです！｣

嬉しそうにフォークの先に付けたイチゴを見せる紗友ちゃん。

｢スゴいね。パフェも大きいね。ちゃんと全部食べられる？｣

ちょっと意地悪を言ってしまうオレは、まだまだ子供なんだと思う。

｢子供じゃないんですから！…大丈夫です！｣

｢梶さんこそ、それで足りるんですか？｣

｢パフェ食べたいって言っても分けてあげませよ？｣

こんな会話が出来るようになっただけ距離は近くなったのかな？


｢えー。少しも分けてくれないの？｣

｢え…因みに…何が食べたいんですか？｣

探るような上目遣いでオレを見つめないでよ。

｢ん？そのイ・チ・ゴ｣

意地悪が止まらない。