第3章 sniper (岡本)
車内は、思っていたより広くて。
後部座席のシートは、やっぱり堅かった。
車窓から見える景色は、とてもキレイ。
「紗友ちゃん?今日のかっきー格好良かったね。」
「はい!」
まるで自分のことのように喜ぶ紗友さんをバックミラーで盗み見る。
「オレも、あんなキラキラな登場してみたいよな~。」
「良平さんなら出来ますよ!ナイトって感じですもん。」
「ね?ノブは、どう?」
「!!!!!」
「ノブくんですか?……うーん……。」
「ノブくんのライブは、まだ見たことがなくて…」
「でも!きっと王子さまみたいだと思います!」
「おー。良かったな~ノブ~。」
「良平さん…あなたは一体何がしたいんです!?」
「あ?オレは……楽しいことをしたい!」
呆れながら、再びバックミラーを確認すると。
「寝ちゃいましたね…」
「本当だ。……寝てるのに笑ってる…」
「かっきーさんの夢でも見てるんですかね…。」
「本当に罪な女だね~。」