第28章 Halloween(神谷)
後輩に慕われて、先輩にも可愛がられる。
沢山のファンに囲まれて、某アワードでは素晴らしい賞も頂けた。
仕事も有難いことに忙しい。
休みもほぼ無い。
俺は本当に恵まれてると思うんだ。
ただね。
どこかポッカリ穴が開いたような…
何か足りないような……
そんな日々に光を当ててくれたのがキミなんだ。
いつも笑ってて。
でも、すぐに拗ねる。
突拍子の無いことを突然やり出すし。
反応に困ることも多々。
それでもキミの作り出す空気は居心地が良くて。
いつも甘えてしまうんだ。
この年になって、甘えるなんて…変だよね。
頼れる男で有りたいけれど…頼られる存在で有り続ける事に少し疲れたかな。
慕われるのは勿論嬉しいし誇り高い事だけど。
ワガママが許されるなら。
キミの前では、鎧は外していたいんだ。
これから先もツラいことも楽しいことも沢山あると思うけど。
キミと言うランタンを手にすれば寂しい事なんて無いと思うんだ。
地獄へも天国へも行く事が出来なくても。
キミが隣にいるだけで、この場所が安息の地になると思うんだ。
キミとなら永遠に彷徨い続けるのも悪くない。
本当にそう思うんだよ。