第28章 Halloween(神谷)
「めでたし。めでたし。」
「めでたくなーい!!!」
「イヤー!脱ぐー!!!」
腕の中でジタバタ暴れる紗友。
予想以上の反応に思わず笑ってしまうよ。
強く抱き締め耳元で囁く。
「紗友?落ち着いて。」
「可愛いよ。このジャック・オー・ランタン。」
フワフワの裾を掌でなでつける。
「カブじゃなくてカボチャなんだから、別に気にすることないだろう?」
「やだ…元はと言えば神谷さんがあんな話するのが悪いんじゃないですか…」
ぐすっと鼻を啜って体を縮める。
「あはは。ごめんごめん。」
「じゃあ、脱いだら?」
「脱がせる手間が省けてオレとしては嬉しいよ。」
首元に口づけて背中のファスナーに手を掛ける。
「ちょっ!待っ!!」
「ん?脱ぎたいんでしょ?」
「違っ…!」
「もう…紗友はワガママなんだから…」
大きくゆっくりと溜息をついて、振り向いた紗友の鼻を指先ではじく。
「痛っ」
頬を膨らませてオレを睨む顔も可愛い。
「顔がパンプキンみたいだ。」
そう言えば、今度は頬を膨らませる。