第28章 Halloween(神谷)
「さて。」
「お菓子は持ってないから、悪戯される覚悟は決めたよ?」
「俺のジャック・オー・ランタンは、どんな悪戯をしてくれるのかな?」
「楽しみで仕方ないね?」
腕を組んで、微笑む顔は色気を帯びて私を誘う。
私の前にいるのは魔王様だったのをすっかり忘れてた…
私は冥界に連れて行かれてしまうかもしれない。
でも……
貴方と一緒なら、どこでも安息の地になると思うの。
それだけは自信がある。
今日知ったジャック・オー・ランタンは、背負ってるモノは重いけれどジャックの希望の光になってると思うの。
私も貴方の希望の光の一部になれたら良いのに。
Happy Halloween
貴方にとっても幸せいっぱいな時間になりますように。
肩に手を掛け、額に口付け。
「Trick or Treat!」
「望むところだ。」
Halloweenが終わるまであと1時間。
幸せいっぱいな時間にしましょう。
END