• テキストサイズ

Season~声優さんと一緒~

第27章 sound(櫻井)


「ブラックコーヒー頼んだのに、砂糖とミルクどうしますか?って言うんだもん。」

「もー!それ言わないで下さいよ!」

眉を寄せて口を尖らせる。

「あはは。ごめんごめん。」

「だって、可愛くてさ。」

「でもさ。あの時紗友が覚えてなくて寂しかったんだよ。」

「だから少し意地悪したんだよな。」

肩を抱いて、髪を撫でて頬に口付ける。

「…だって櫻井さん、迫力あって近づけなかったし。」

「つい人見知り発揮しちゃってね…」

「でもさ。話さなくても、俺は覚えてたのに?」

「……ごめんなさい。」

ガタガタと揺れる窓。

「雨が強くなってきたね。」

雨は勢いを増し、もう雨粒は見て取れない。

「窓がキレイになっちゃうね。」

その時、窓の外に稲積が走った。

「雷!」

体を離し、窓を見つめる紗友。

少しすれば聞こえる雷の音。

怖がって俺の胸に飛び込んで来ればいいのに。

台本をテーブルに置き、期待を込めて両手を広げる。

「近くじゃないといいですね。」

クルッとこちらに顔を向ける。

「何やってるんですか?」

「ん?」
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp