第27章 sound(櫻井)
「何やってるんですか?」
「ん?」
そんなにジッと見つめないでよ。
やってる自分が恥ずかしくなる。
「何で両手広げてるんですか?」
「いや…雷を怖がって俺の胸に飛び込んで来るのを待ってるんだけど。」
みるみる赤くなる顔。
頬に手を当て、クルッと向きを変える紗友。
「不意打ちで、そう言うこと言わないで下さい。」
「反応に困ります。」
キミの仕草や発言だって、俺を十分に困らせる。
「イヤじゃなければ、ココ空いてるけど?」
恥ずかしそうに俯きながら、胸に納まる紗友をキツくキツく抱きしめた。
END